「エンジニアお茶会」という取り組みについて

こんにちは Nota株式会社で自称フロントエンドエンジニアと言っている id:Pasta-K です。今年は自称が効いてきたのかずっとReactと向き合って暮らしていました。

この記事はNota Advent Calendar 2021の16日目の記事です。昨日はochiaiさんの“ほぼ”毎月申込100名超の自社オンラインイベントを開催してわかった集客の秘訣でした。

全てがオンラインになったと言っても、平均して100人くらいのイベントを自社ホスティングするのはなかなかハードそうだなと毎回傍から見て思っていたのですが、予告編とかまで作っているのは知らなかったので、そういうおもてなしが集客に繋がっていそうでめでたいですね。

100人の方を集客して開催するイベントの話の翌日は社内のエンジニアが10人くらい集まってやってるイベントのご紹介をしようかと思います。

「エンジニアお茶会」

「エンジニアお茶会」はNota社内でやっているエンジニアの社内勉強会の名称です。便宜上、社内勉強会と言ってますが、どっちかというとエンジニアの近況共有的な色合いの方が強い会にしようと思い、「勉強会」ではなく「お茶会」という名称を使用しています。

こういう感じでScrapbox + Google meetでやっています

というのも僕が2020年の春に社員になるにあたって、洛西さんなどと会話をする中で、Gyazoがほとんどを占めていたプロダクトもScrapboxやHelpfeelと増え、当時は10人に満たなかったエンジニアも今後Helpfeelを中心にもっと採用していくことになるだろうということで、エンジニア同士の壁の無いコミュニケーションを行える環境を整備していくことが、これまで以上に健全且つ高速なプロダクトの開発を支えることに繋がるだろうということで企画をし始めました。

実際、その約1年後にはシリーズBラウンドとしての調達をしたり、Nota Tech Conf 2021の開催をキッカケに複数人のエンジニアが増え、その他の業種も多くなることになりました。

開始当時は10人に満たないエンジニアがターゲットだったので、勉強会的な立て付けにしてもテーマを毎回持ってきたり発表的な準備をするのも大変だろうということで、開催頻度は隔週水曜日とし、以下のような内容を設定して開始しました。

  • オススメのPRコーナー
  • オススメ技術ニュースコーナー
  • その他、相談したいことなどコーナー

このラインナップからも勉強会というよりは知見交換のキッカケづくりという色合いなのを察してもらえるかと思います。1つずつどういうことをやっているのかや狙いや形式などを紹介しようと思います。

オススメのPRコーナー

PRはPull Requestのことです。このコーナーではざっと全ての社内全てのPRの一覧を2週間分斜め見しながら気になったものについて、関係者から解説をしてもらったりするパートです。先程も紹介したようにNotaの主なプロダクトラインは3つで、エンジニア数も決して多いわけではないので、なんとか全てを斜め見することが出来ていますが、これは増えてくると難しくなるかなと思っていますが、出来る限りは続けていく所存です。

プロダクトで共通して利用しているTypeScriptやReact、またそれらの周辺ライブラリなどのアップデート対応の話やプロダクトの新機能や面白改善などを紹介してもらっています。プロダクトの本番のNode.jsをアップデートした話や、ちょっとトリッキーだったbugfix話、苦労していたけど出せた新機能、renovateの通知で気付いたライブラリのアップデートお得情報などなど…

個人的にも頑張って社内のPRにはタイトルだけでも目を通すようにはしているのですが、やっぱりプロダクトも人も増え、流速が上がってきたことで日常的に追いかけ続けるのは気合いが要るので、こういう形で仕組み化しています。

場合によっては事前にPRをScrapbox上に書いておいてもらうこともありますが、基本的にはPRの一覧を司会者が流していって、紹介したいものや気になるタイトルが出てきたら声をあげてもらって、紹介してもらうという形式でやっています。

ここのパートはフラッと会場のGoogle meetを覗きに来たエンジニア以外の職種の方にもbugfixの裏側の苦労話などが聞けて面白いと好評です。

オススメ技術ニュースコーナー

世の中に数多ある技術情報から好きにピックアップしてきて、URLと一言コメントを書いてもらったものを眺めながら、会話をするコーナーです。最近は紆余曲折ありこの説明をそのままコーナー名にした「世の中の技術ニュースコーナー」という名前になってますが、本質は変わらずです。

Reactなど社内でもパワーを奮っているライブラリのアップデート予定に関するブログポストやブラウザの時期アップデートについてはもちろん、コミュニティで話題になったブログポストやセキュリティに関する話題、個々人が日々のウェブブラウジング中に発見したちょっとした話題まで回によって様々です。

2021年10月13日の回ではTypeScript 4.5のBetaに関する話やeslintのv8.0.0の公開に際する話について情報交換をしました

id:Pasta-Kが時々社内のScrapboxにTypeScriptやeslint、Node.jsのリリースノートを適当に抜粋して翻訳したり解説を書いたりしていることがあるのですが、そういうのもここで紹介したりしています。

普段誰がどういうニュースを拾って読んだりしているかとかも分かるし、複数人でScrapbox上でワイワイと記事をフックにコミュニケーションしたりも出来ているのでなかなかにお茶会っぽさが出ているパートかと思います。一度チャンスがあればこのパートの動画とかを公開したいと思っているんですが、絶妙に仕事の話に繋がってしまったりなどしているので、なかなか公開できそうな回が無いんですが、ちょっと近日中になんとかしてみようかと思っています。その際はみなさまよろしくおねがいします。

一方で司会をやっている僕がフロントエンドに偏っている結果、前述のようなアップデートの話やニュースの深堀りなどが若干JavaScriptやWeb界隈に寄りがちなのですが、RubyRailsGCPやElasticSearchなどに関する話題なども最近は結構事前に情報などを書いてもらえているので助かっています。

その他、相談したいことなどコーナー

ここは要するに雑談コーナーです。ここまでの2つの枠にハマらないようなネタやちょっとした相談事、共有事項などを話す枠です。2週間の間に起きたインシデントやヒヤリハットなどの振り返りの紹介などもこの枠で取り扱っています。

メインコンテンツ

これらに加えて、一般的な勉強会での発表のような形で話したり、AMA形式などで知見の紹介をする「メインコンテンツ」という概念も開始当初は存在していたのですが、意外とここまでの3つの枠組で順番にワイワイ話しているだけで1時間くらい経過するようになったので、最近はあまり開催していません。

過去には僕が社内向けにWeb APIの現状について話した資料を公開した「面白Web API 100連発」もこの枠で話したものでした。

他には社内の3プロダクトが共通して利用しているが、なかなか知見を社内外で共有する機会が少ないMongoDBについて社内で関わってるエンジニアたちで会話をしまくった「mongodb座談会」、エンジニア同士でオススメの書籍を語り尽くす「おすすめ技術書紹介大会2020秋」なども開催しました。また、エンジニア新入社員の入社直後の会では自己紹介LTとちょっとした質疑応答をやっています。

振り返りの様子など

昨年の春に始めた「エンジニアお茶会」を2020年度の振り返りということで3月に振り返りをしたとき*1の社内からのコメントを一部引用して紹介します。

  • 日常業務に追われてニュースを追いかけられなかったので、大変助かりました
  • ぼーっと参加できるので息抜きにもなってる
  • 会としてはゆるいけどトピックがマニアックでとても楽しいです
  • 負荷が低いが有益だった

負荷の低さや息抜き感は会を作るときからの目的だったので、その辺は実感としても感じてもらえていそうで、実際主宰をやっている自分も直前に自身のはてなブックマークなどから引っ張ってきてURLを貼ったりしておいて、始まったら喋るという感じで、ほぼノー準備で突入できるのも続けられている要素かなと思っています。

今後について

「エンジニアお茶会」自体はこのまま続けていこうかと思っています。一方で個人的にはもう少し固まったアウトプットやインプットの場を作りたいなという気持ちもあったりもします。あとはこの先エンジニア組織が大きくなったときにも同じフォーマットでということは厳しくなるだろうなと思っているので、また少しずつ組織の規模やニーズに合わせて柔軟に作り変えていきたいと思っています。また何かあったらブログなどでご紹介したいと思います。

まとめ

今日はNotaのエンジニアで行っている「エンジニアお茶会」という取り組みについてご紹介しました。「エンジニアお茶会」内の3つのパートについてそれぞれ内容の例や進め方を紹介しましたが、一方で個人的にはそれぞれ区切りは置いていますが、各々が持ち寄った話題などを出来るだけ物怖じしないで書いたり話したりしてほしいという事で3種類に大きく分けているというのがあります。どこかに話題を持ち込んだり、発言してもらえると良いなと思ってPRから仕事関係の話題から世の中の話題まで扱う幅広さを設定しています。

実はあまりNota社内の人々にもちゃんと言ってはなかったのですが、この形や進行のやり方などは株式会社はてなの技術勉強会内で行われている「今月のホットトピックス」という会を形式やモチベーションを含めてかなり参考にさせてもらいました。ホットトピックス会は僕自身も参加していて*2体験的にもかなり良いなと思っていたので、記事内でも書かれている言葉を借りると「知識共有のドーナツ化現象」を起きる前に防げる組織にしたいというNotaで会を始めるときに考えていた目的に対して、ドンピシャでした。感謝感謝です。

現時点でのNota社内で実際に使っている「エンジニアお茶会」のScrapboxテンプレートを公開しておきますので、良ければ参考にしてください。

ちなみに次回の「エンジニアお茶会」は12月22日水曜日に開催予定です。年末の恒例行事にしようと思っている「マイベストPull Request2021」という企画*3を開催予定です。「エンジニアお茶会」に参加したい方、僕から司会業を奪ってくれる方、一緒に盛り上げてくれる方、この記事で紹介したコンテンツがあるNota社内のScrapboxに興味ある方をNotaでは募集しています。採用ページからポチッとよろしくおねがいします。

Meetyには僕と話せるカジュアル面談もあります。そちらもよろしくおねがいします。

そしてそして、Nota Advent Calendar 2021ですが、明日は岩本さんが「2社(野村證券、freee)経験し、NotaのISで日々業務意識をしていること!」とのことです。こちらも是非おたのしみください。

*1:本当はこのときにブログ記事にしようと思っていたのですが、ずるずると先延ばしになった結果、アドベントカレンダーの題材になっています

*2:この記事の筆者は株式会社はてなでも働いています

*3:『今年もやるぞ年に1度の総精算![マイベストPull Request]がやってまいりました。各自コピペ用コーナーからコピペして最大3つまで、自薦コメントもお願いします!!』という書き出しから始まる企画。要するに自分のPRの中から最強のPRを自薦で3つまで紹介してみんなで自慢したり褒め合ったりしていい気持ちで年を越そうという企画です。